沖縄タイムスのコラム「しまくとぅば日記」を使って、うちなーぐちを勉強するシリーズ。
今回は5回目です♪
沖縄タイムスHPのpodcastからの聞きとり書きに直訳と解説をつけています。
「ご、語幹って?活用って何?」ってなった時にはこちらを!今回は5回目です♪
沖縄タイムスHPのpodcastからの聞きとり書きに直訳と解説をつけています。
うちなーぐち 動詞の活用形① うちなーぐち 動詞の活用形②
「標準語」⇔「うちなーぐち」の音変化や
形容詞や疑問詞のことも分かったら、もっと読みやすくなります♪
こちらも適宜参考になさってくださいねー。
音の変化① 音の変化② 形容詞・疑問詞
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大宜味小太郎さんという、沖縄芝居の大御所がおられました。その方が亡くなった後、娘さんにあたる大宜味しょうこさんが、平成大伸座を立ち上げ、小太郎さんの芝居を継承されています。
その旗揚げ公演が行われたのが2015年3月1日。往年の沖縄芝居役者さんに加え、川満しぇんしぇーやじゅん選手を交え、より面白さが加わった芝居になりました。
実はこの公演を私は会場で見ていました。笑いあり涙ありの人情劇。沖縄演劇の知識は乏しい私ですが、関西を中心に活躍された藤山寛美さんの芝居を観ているような気がしました。
私が観賞した時のエピソードは、別ページに書いていこうと思います。
演目は「ハワイ行進曲」と「丘の一本松」。全編うちなーぐちの芝居です。以下はそのあらすじ。
<ハワイ行進曲>
職を求めて沖縄を離れ、海外に出稼ぎに行く人が沢山いた時代。結婚式の費用を稼ぐために、許嫁と母親を置いてハワイに旅立った青年がいました。その帰りを楽しみに待つ娘と母は、青年を港で見送ります。しかし、彼らの運命を戦争が引き裂いた。沖縄に戻れないまま歳月が流れ、青年が許嫁の元に戻れたのは、なんとあの日から50年後。「僕が戻るまで誰とも結婚せずに待っていてくれ」その約束を守り続けた老女の前に、あの時の青年が戻ってきた。その手には、ハワイで買ったウエディングドレス。そして、長い歳月を経て、50年前の青年と娘は夫婦になることができたのです。
<丘の一本松>
職人気質で頑固な鍛冶屋の親父さんには、同じ仕事をしている息子がいました。
いつまでも半人前扱いされることに耐えかねて、息子は家を飛び出して那覇を目指します。
その道中、丘の上に太くて大きな一本松が立っています。
松の近くまで来た時、大きな荷物を背負った老人が坂道を上っている姿が見えました。
青年はその荷物を一本松の所まで運んであげます。
そして、松の下で話をしながら座っていたのですが、そこに親父さんがやってきます。
あわてて松の影に隠れる息子。息子の存在に気が付いていない父。
立派な職人になって欲しくて辛くあたっていたんだよ・・・
父は松の下でそう呟きます。その言葉は息子の耳に届きました。
そして、あの厳しさは父の愛情だったのだと気付くのです。
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3月(さんぐゎち)1日 に うくなーりる 平成大伸座公演 ぬ 稽古 やいびーん。
3月 1日 に 行われる 平成大伸座講演 の 稽古 です。
あぬ 大宜味小太郎さん ぬ 「丘の一本松」「ハワイ行進曲」 ぬ 芝居稽古。
あの 大宜味小太郎さん の 「丘の一本松」「ハワイ行進曲」 の 芝居稽古。
うちなー んじ 70年 ぬ 伝統劇。
沖縄 で 70年 の 伝統劇。
うくなーりる 「うくないん(行う)」の基本語幹[ukunar]
[ukunar] + 受身[ariin] [ukunarariin]
[ukunarari]([in]脱落) + [iru] → [ukunarariiru]
(じゅん選手が使う受身は、[ukunaariru]のように[r]や[i]が脱落してることが多い)
あぬ 代名詞のまとめページ参照♪
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なま までぃ わー が お笑いネタ びかーん ちゅくてぃ、
いま まで 僕 が お笑いネタ ばかり 作って
どぅー ちゅい し 舞台 たっちょーいびた しが、
自分 ひとり で 舞台(に) 立っていました が、
うぬ 稽古 や 先輩 ぬ ちゅぬちゃー ん まじゅん やいびー くとぅ、
その 稽古 は 先輩 の 人達 も 一緒 です から
うっさそーいびーん。
嬉しいです。
昔 から ぬ 芝居 んかい、 初みてぃ 出演する くとぅ んかい ないびーたん。
昔 から の 芝居 に 初めて 出演する こと に なりました。
ちゅくてぃ 「ちゅくいん(作る)」の音便語幹[chukut]
[chukut] + 接続形(~して)[i] → [chukuti]
うっさそーいびーん 「うっさすん(喜ぶ)」の音便語幹[ussas]
[ussas] + 継続[oon] → [ussasoon]
[ussasoo]([n]脱落) + 丁寧[ibiin] → [ussasooibiin]
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演技、 八木政男 しんしー から ならとーいびー しが、 じこー むちかさいびーん。
演技(は) 八木政男 先生 から 習っています が、 とても 難しいです。
お笑い とぅ 芝居 や あんし までぃ 違いん でぃち、 初めてぃ わかやびたん。
お笑い と 芝居 は あれほど まで 違う って、 初めて 分かりました。
本番、 ちゃたんニライセンター。 んな するてぃ いめんせーびりよーさい。
本番(は) ちゃたんニライセンター。 みんな 揃って お越しくださいね。
ならとーいびーしが 「ならいん(習う)」の音便語幹 [narat]
[narat] + 継続[oon] → [naratoon]
[naratoo] + 丁寧[ibiin] → [naratooibiin]
[naratooibii] + 「しが(~だが)」
[narat] + 継続[oon] → [naratoon]
[naratoo] + 丁寧[ibiin] → [naratooibiin]
[naratooibii] + 「しが(~だが)」
わかやびたん 「わかいん(分かる)」の連用語幹[waka]
[waka] + 丁寧[yabiin] → [wakayabiin]
[wakayabi] + [t] + 過去[an] → [wakayabitan]
するてぃ 「するいん(揃う)」の音便語幹 [surut]
[surut] + 接続形(~して)[i] → [suruti]
いめんせーびりよーさい 「いらっしゃる(行く・来るの敬語)」 [imisheebiin]
命令形(いらっしゃいませ) [imisheebiri]
[imisheebiri] + 「よー(呼びかけ)」
+ 「さい」(呼びかけの時に男性が使う。「ハイサイ」の「さい」)
(女性は「たい」。「こんにちは」は「ハイタイ」となる)
☆「いらっしゃる」は右にいくほどより丁寧に。
「いめーん」 →「めんしぇーん」 → 「いめんしぇーん」
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わー や 最初 ぬ 村人役 やいびー しが、
僕 は 最初 の 村人役 です が、
得意 ぬ みんかーおじい役 やいびーさ。
得意 の 耳が聞こえないお爺さん役 です。
んまちそーいびーんどー。
お待ちしていますよー。
んまちそーいびーんどー
「まちゅん(待つ)」の連用語幹[mach] + 連用形(~して)[i] → [machi]
「すん(する)」の音便語幹[s] + 継続[oon] → [soon]
[machisoo]([n]脱落) + 丁寧[ibiin] → [machisooibiin]
「どー(標準語の「よー」)
単語先頭の「ん」は丁寧を表す接頭辞
あんしぇ、またやーたい (^-^*)♪
「まちゅん(待つ)」の連用語幹[mach] + 連用形(~して)[i] → [machi]
「すん(する)」の音便語幹[s] + 継続[oon] → [soon]
[machisoo]([n]脱落) + 丁寧[ibiin] → [machisooibiin]
「どー(標準語の「よー」)
単語先頭の「ん」は丁寧を表す接頭辞
あんしぇ、またやーたい (^-^*)♪